幸せになってほしい人

 幸せになってほしい人。

 

 こう書くと、どこか他人事で冷たい印象を与えてしまうかもしれない。

 なんなら、「お前が幸せにしてやれよ!」と言われるかもしれない。

 

 その通りです。私じゃ彼を幸せにしてあげられなかった。

 

 もう一度会いたい。けど、会いたくない。

 彼の記憶が薄れていって、私の記憶の彼とほんとうの彼は、きっと違っていってると思う。

 一緒にいると優しい気持ちになれた彼、あの時寂しそうな目をしていた彼。

 そんな彼と最後に別れて2年が経とうとしている。彼はもう今年22歳になる。ふとお互い何歳の時に、どこで出会っていたら、一緒に幸せになれる未来があったのかなと思う。

 

 いつか会うとき胸を張っていられるように。

 書くことを教えてくれた彼に、私ができることは書き続けること、それが私にできる最大の愛情表現なのかなって思う。